中国モノづくり仰天話(第1話)
私がソニー在籍時に、
モニターの設計業務で中国に駐在し、
日本の設計者と中国の部品メーカーの
橋渡しの仕事をしていたときのお話です。
金型打ち合わせを1ヵ月以上前に完了し、
今日は1stトライの日です。
日本からの設計者が上海に訪れ、
金型打ち合わせをした成形メーカーに
一緒に行くことになっていました。
今回成形している工場は、いつもの場所とは違う、
ということだったので、その成形メーカーとは
別の場所にある工場に連れて行かれました。
車で1時間半くらいの全く別の場所でした。
私と出張者を乗せた車が、その別の工場に到着しました。
工場の正門を通過しようとしたところ、
「ふっ、あれっ?」と思ったのでした。
その頃の私は、中国駐在4年目に入ろうとしていました。
中国にも慣れ、中国の怪しい雰囲気は感じ取れるように
なっていました。
「(正門のプレートの)会社名が違う、、、」と思いました。
工場はいろいろな企業が集合している場合もあるので、
正門のプレートの名前が、見知らぬ名前の場合はよくあることです。
工場の建物の中に入りました。
受付ロビーのテーブルに女性が1人座っています。
その背後に、会社名とそのロゴが掲示されています。
「やっぱり、名前が違う!なんか変、、、」
同行している成形メーカーの営業担当者に聞きました。
私:「会社名があなたの会社じゃないですよ。どうして?」
営業:「関連会社みたいなものです。」
私:「関連会社って、どういう関係?」
私は、疑いの気分でいっぱいです。
営業もちょっとバツ悪そうな受け答えをしてきます。
私は、しつこく問い詰めました。
営業:「元の私の会社の社員が独立して作った会社です」
私:「じゃ、別会社ではないですか」
営業:「そう、別会社です、、、今回
成形機が大きい(800t)ので借りているのです。」
私:「借りている?外注に出したと一緒でしょ。」
営業:「成形を担当するのは、私の会社です。
だから800tの成形機を借りるだけ。問題ない。」
私:「あなたの会社の社員がここにきて成形するの?」
営業:「。。。。」
私:「元社員の成形メーカーに外注に出してる、ってことですよね」
営業:「まあ、そういうこと、、、」
もちろん初めて聞くことです。
このことは誰も知りませんでした。
もちろん、この会社に発注を決めた資材も、のハズです。
どういうことになってるんだ?
印刷や塗装の2次加工が外注は、よくあることです。
成形を依頼しているのに、その成形が別会社?
どういうことですか?
これが後々、大問題に発展して行くのでした。
続きは、次回をお楽しみください。
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